洪水多発にあえぐジャカルタ 地盤沈下と海面上昇の複合問題
2025年10月13日 7:56(10月13日 7:58更新) [有料会員限定記事]
インドネシアの首都ジャカルタ。人口は約1,000万人にのぼり、その多くが沿岸地域に居住しています。この地域では近年、満潮時の洪水が頻発しており、住民生活や経済活動に深刻な影響を及ぼしています。
洪水の主な原因は、生活や工業用途での地下水の過剰利用による地盤沈下です。地下水を大量にくみ上げることで地盤が徐々に沈み込み、元々低い沿岸部の土地がさらに低くなってしまったのです。
さらに、地球温暖化に伴う海面上昇もこの問題に追い打ちをかけています。海水面が上昇することで、高潮や満潮時の水位が高まり、洪水の発生頻度と被害の規模が拡大しています。
こうした状況に対し、インドネシア政府は水上に浮かぶ家屋の提供など、さまざまな対策を模索しています。写真は政府が提供した船のように浮かぶ水上ハウスの様子(2025年8月、ジャカルタ北部沿岸部)です。
しかしながら、地盤沈下の解消や海面上昇の防止は容易ではなく、根本的な解決には時間がかかる見込みです。移住計画や防潮堤の建設といった対策も進められているものの、多くの課題が残されています。
今後もジャカルタの洪水問題は、都市計画や環境政策の重要なテーマであり続けるでしょう。
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